2022年度 一般社団法人 足利青年会議所 理事長 本島 稔大
「新日本の再建は我々青年の仕事である」
今を遡ること約70年前、戦後荒廃の中、経済再建の使命に燃えた祖国を愛する青年の情熱によって東京の地で青年会議所が創設されました。
青年会議所は、「明るい豊かな社会」の実現を理想とし、その新しい社会をリードするに相応しい人財を数多く育成する事を目標に定め、幾多の困難や課題に向き合い約70年に渡り今日まで活動して参りました。戦後の混乱から高度成長期、バブル崩壊等、時代が劇的に変化しても、このまちを、そしてこの国を良いものにしていきたいという青年の熱い想いは変わる事なく、現代を生きる我々にも脈々と受け継がれています。
そのような中、一般社団法人足利青年会議所(以下、JCI足利と省略致します)は、1958年に全国138番目の会員会議所としてこのまちで産声を上げました。「奉仕・修練・友情」の三信条を掲げ、「真に豊かな足利」の実現に向け、その時代に沿う地域課題と向き合い様々な事業・運動を展開してこられた先輩方の実績は私どもの誇りであります。
しかしながら、2020年から流行した新型コロナウイルスは世界規模で混乱を巻き起こし、社会や経済、そして生活環境にも甚大な影響を与え今現在に至っても未だ猛威を振るっております。我等のまち足利も例外ではなく、長引くコロナショックによる不要不急の外出自粛、様々な事業者への経済面での打撃、伝統あるお祭りやイベント等の中止も重なり、まちの活気が徐々に無くなりつつあります。そして、青年会議所も大きな影響を受け以前では当たり前だった大規模な事業も開催する事を憚られ、会員拡大活動も思うように実行出来ず、会議も現地での開催やネットを使用して行うリモート会議を行うなど、当たり前だった事が当たり前では無い世の中に変化してしまいました。
しかし時代は着実に動いています。先輩方が様々な困難に立ち向かってきたように私達もこの困難に立ち向かっていかなければなりません。
この状況に対応した未来に繋がる運動を展開していかなければJCI足利としての存在意義を失う事になります。この状況を打破する為にはメンバー一人一人が危機的意識を持ち、常に前を向き、目的を共有し、知恵を出し合い、諦めずに行動する事、そしてメンバー同士の繋がりを強固なものとしJCI足利が「一枚岩」になる事が必須であり、志が高いメンバーが沢山いればいるほど必ずこの困難にも打ち勝つ事が出来ると考えます。
いつの時代もその時代を生きる若者が知恵を振り絞り、若さ溢れる行動をし、熱い情熱を持って道を切り拓いてきた様に、我々も不撓不屈の精神を忘れずに、諦めずに挑戦していく事が「明るい豊かな社会」の実現に繋がるものと確信します。5年後、10年後、またその先の世代まで持続可能な社会を創る為に、どんな困難にも諦めずに挑戦し、まだ見ぬ後輩達にしっかりと胸を張ってバトンを繋いで行けるように活動して参ります。
【市民と共にまちづくり】
我々青年会議所が目指すまちづくりとはビルや道路、施設などを作る事ではありません。まちづくりとは、そのまちに歴史、経済、文化、環境が織り成し、そこに暮らしている人々の豊かな暮らしを創造していく事です。
JCI足利は約60年に渡り様々なまちづくり活動を行なって参りました。
しかしながら、私達青年会議所は決してまちづくりの主役ではありません。では、まちづくりの主役は誰でしょうか。まちづくりの主役はそこに暮らす人々です。
2020年から流行した新型コロナウイルスの影響により、当たり前に開催していたお祭りやイベント等が無くなり、このまちから笑顔や活気が無くなりつつあります。青年会議所としても以前では当たり前でした、多くの人を一堂に会する事業を開催する事が憚られるのが現状です。しかし、「ピンチはチャンス」という言葉があるように、この困難な局面こそが地域に必要とされるJCI足利の存在を示す絶好の機会です。
今このまちに何が必要とされているか、何を求められているかを追求し、時代に合った手法を用い、我々JAYCEEがアクティブシチズン(能動的市民)となり、まちづくり運動を発信し、市民と共に郷土愛を育み活気溢れるまち「真に豊かな足利」へと変革する為の運動を展開して参ります。
【永続的な会員拡大活動】
JCI足利は過去には100名近いメンバーが在籍していましたが、ここ10年間は約30名前後の会員数で活動をしています。「会員減少」というフレーズは毎年のように叫ばれ、現在ではどこか聞き慣れてしまった現状に強い危機感を感じています。決して1年に10人20人とメンバーが減る訳ではありませんがメンバー数は着実に逓減しています。
メンバーが減る事により、JCI足利の財政面での逼迫や、一人一人の負担が増え、引いてはメンバーのやる気や活力の低下を招き、悪循環となってしまう事が懸念されます。このままですと近い将来JCI足利存続の危機に瀕する事は間違いありません。
そのような事態に陥る前に会員拡大活動にとって起爆剤となる年を作る事が必須と考えます。これは決して誰か一人がやるのではなく、全メンバー共通の問題点と捉え、JCI足利全員で課題に向き合い、解決しなければなりません。会員拡大は決して難しい事ではありません。とにかく行動を起こす事です。行動した量が必ず結果に比例すると考えます。
青年会議所の特徴の一つに単年度制というものがあります。単年度制のメリットはメンバーに様々な機会を与えてくれる事や、組織の活性化などがありますが、単年度制で終わらせてはならない事があります。それは会員拡大です。決して会員拡大は1年で止めてはなりません。2022年はJCI足利長らくの最重要課題でありました会員拡大にとって大きな起爆剤の年となるように、2022年だけの会員拡大で終わる事なく永続的に会員拡大が出来るやり方を考えて邁進して参ります。
【持続可能な組織運営】
新型コロナウイルスを起因とするニューノーマル時代を迎えて青年会議所活動は難しくなる事が予想されます。しかし、そのような時代であったとしても青年会議所は常に変化に対応していかなければなりません。事務局としてもこれまでのやり方をただ引き継ぐのではなく時代や現状にマッチした新しい運営手法が必要とされます。その時代、その瞬間をしっかりと見極めデジタルの良さもあれば、リアルの良さもあります。デジタルとリアル、双方を適切に活用するニュートラルな考えが必要とされます。また、事務局は組織運営の中枢を担っています。時代に合わせて新しい手法に変化しつつも、メンバーの心の拠り所となるような存在でなければなりません。
更に対内、そして対外への情報発信を積極的に行い、会議の質を高め、困難な時代の中でも持続可能な事務局運営を行なって参ります。
【創立65周年を前に】
2023年にはJCI足利創立65周年の節目の年を迎えます。本年は創立65周年の前年度として、創立60周年の際に策定した中期ビジョンを基に活動した5年間の検証を行う事で、創立65周年への道標を示す必要があると考えます。
しかしながら2020年から流行した新型コロナウィルスの影響で以前では当たり前に取っていたメンバー間のコミュニケーション不足が深刻な問題となっております。まずはコミュニケーションや親睦を図り現役メンバー同士の繋がりを強固なものとして一枚岩にする事が必須と考えます。
メンバー同士が青年会議所活動の垣根を超えた真実の交流を図り、強固な絆で結ばれたチームワークづくりが、まちづくりや拡大活動など青年会議所活動へと大きく繋がると確信いたします。そしてメンバーを一枚岩にして翌年に控える創立65周年に対する意識を高めて参ります。
【より成長する為に】
青年会議所は様々な経験を積む事が出来、多くの学びを得られ、沢山の仲間に出会う事が出来る素晴らしい団体です。我々青年会議所の目指す「明るい豊かな社会」を創る為には、常にメンバー一人一人が「奉仕・修練・友情」の三信条を心に留め成長していかなければなりません。
2022年度も公益社団法人日本青年会議所関東地区栃木ブロック協議会、両毛地域青年会議所協議会に多くのメンバーを出向致します。縁あって青年会議所に入会したのならば、JCI足利の事業だけではなく、出向を機会により多くの経験を積んで成長をして欲しいと考えます。そしてJCI足利としても出向しているメンバーへの支援を積極的に行って参ります。
一人一人がその出向経験を得て成長した事により、個人の成長はもとよりJCI足利の成長、ひいては我等のまち足利の発展に繋がる事と確信しております。
【結びに】
私の好きな言葉に、「Impossible is nothing」という言葉があります。
これはスポーツブランドのアディダスの企業スローガンです。直訳すると「不可能なんて無い」という意味です。ただアディダスが本当に伝えたかった意味は少し違います。
アディダスが本当に伝えたかった事は、「不可能なんて、ありえない。」
「不可能に思える事で溢れている世界でも、私達は可能性を見出せる。」
そのような思いが込められています。
世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスが流行する中、私達JCI足利の活動も困難が待ち受けています。ただ、コロナ禍だからJCI足利の歩みを止めようではなく、コロナ禍だからこそ挑戦し、そして可能性を見出し、その困難を乗り越えようという思いがJCI足利には必ず必要だと思います。先人達から受け継いだ「英知」、失敗を恐れずチャレンジする「勇気」、仲間との強い絆で挑み続ける「情熱」を持って、困難を乗り越えた先には必ず、青年会議所に入会して良かった。「青年会議所のない人生なんてありえない」とメンバー全員がそのように思えるよう、熱い想いと高い志を持って1年間全力で邁進して参ります。
2022年度 基本方針
- 市民と共に「真に豊かな足利」へと変革するまちづくり運動の実施
- メンバー全員で永続的に出来る会員拡大活動の実施
- 持続可能な事務局運営の実施
- 創立65周年の準備とメンバーの絆を強固なものとする親睦事業の実施
- 積極的な出向と、出向メンバーへの積極的な支援の実施