理事長所信

2020年度 一般社団法人 足利青年会議所 理事長 小森雅之

青年会議所は、明るく豊かな社会の実現を目標に掲げ、今日に至るまで人づくりとまちづくりを事業計画の中心として活動してきました。2 0 歳から4 0 歳までの若者が、次の世代のリーダーとなるべく、仲間たちとまちづくりを通して切磋琢磨することで、人がまちを育て、また、まちが人を育ててきました。私たちが、今こうして何一つ不自由のない暮らしをすることができるのも、先輩たちが弛まぬ努力の下、その時代が抱える課題に取り組み、次の世代のための活動をしてきてくれたからです。
しかし、今、そのまちづくりと人づくりの在り方を改めて考え直さなければならない時代の大きな転換点に直面しています。それは、ありとあらゆるものの変化の速度が上がっているからです。2 1 世紀に入り、私たちの生活風景は、大きく変わりました。誰がここまでインターネットの普及を予測できたでしょうか。今や誰もがスマートフォンを手にし、どこでもインターネットを経由して世界各地のモノや情報を瞬時に手に入れることができるようになりました。買い物は、ネットショッピングで済むようになり、わざわざお店に足を運ぶ必要がなくなりました。キャッシュレス化が進み、現金を持ち運ぶ必要のない場面が増え、電子マネーという新しい通貨も生まれました。これまで手に入れることができなかったものが簡単に手に入ることでモノの価値が大きく変わり、今まで無かったモノが新しい価値を生み出すことになりました。
これまでの概念が変わり、人々がまちに求めることも大きく変わろうとしています。
また、人と人との関わり方も大きく変わってきました。メールやアプリを使うことで、顔を合わせることなく簡単にコミュニケーションが取れるようになり、S N S を通じて、個人が匿名で大多数に向けて発言することができるようになりました。これに個人情報保護の厳格化も進み、これまでの少人数との深い人間関係から多人数との浅い人間関係にシフトしています。加えて、個人の価値観もこれまでの高度成長期のような仕事や収入の重視から趣味や家庭の重視へと移行してきています。求めるものや優先順位等、個人の考え方が変わり、そして人間関係を築き上げるためのコミュニケーション方法も変わってきている中で、これまでの視点や手法では、次世代のリーダーを育てることはできません。
更に今、地方都市は、大変苦しい状況にあります。全国的な少子高齢化により人口が自然に増えることが期待できない中で、仕事や充実した社会環境を求めて大都市への人口流出が進んでいます。2 0 1 4 年には、少子化や人口移動により将来、消滅する可能性がある自治体が発表され、大きな衝撃を与えました。これまでの成長や現状維持を前提としたまちづくりから、資源が減少する中でのまちづくりを考える必要があり、このような状況だからこそ、将来のリスクを見据え、変化に対応することができる強いリーダーシップを発揮する次世代のリーダーを育成する人づくりが必要です。まちづくりと人づくりは、その重要性は、変わらないものの、そのやり方や今求められている姿に合わせなければならない新たな局面に入ったといえます。その局面を乗り越えていくため、青年会議所も時代に合わせ、アップデートする必要があります。

【まちづくりをアップデート】

明るく豊かなまちとはどんなまちでしょうか。私は、いつも人が溢れ、笑顔と活気が溢れるまちだと思います。ただ人口が多いということだけが、まちの指標ではなく、まちを訪れる人がたくさんいることも、まちの活気に繋がる重要な指標です。足利を訪れたくなる、足利に来た人が笑顔になる。
そのようなまちづくりができれば、明るい豊かな未来を作り
上げることができます。
しかし、これからは地方都市から資源が減少し、人・モノ・カネが大都市に集中することが予想され、まちづくりにとって厳しい時代をむかえることになります。そうすると何事も少ない資源でやりくりしなければならず、これまで続けてきたことも予算を切り詰め、規模を縮小していかなければ運営できなくなる可能性があります。そんな今こそが、まちづくりを見直す機会です。
今、世界は、技術革新により、人々がやりとりする情報量が格段に増えました。設営方法、集客、資金繰り等も数年前にはなかった新しい手法が生まれています。それらを学び
これまでのまちづくりを脱却して新しい手法を取り入れることができれば、より効率的かつ効果的な新しいまちづくりの姿を生み出すことができ、足利の持つ可能性を広げることができます。限られた資源を有効に活用し、明確な狙いを持って新しい手法に挑戦することで、明るく豊かな未来に繋がる新しい一歩を踏み出すことができます。

【人づくりをアップデート】

明るく豊かな社会をつくるために、人を育てることは欠かせません。いつの時代もまちが発展する過程には、必ずリーダーの存在が中心となり、周囲にその熱が伝播することでまちが育っていきます。青年会議所は、奉仕・修練・友情の三信条の下に行動することで、人間力が高められる他に類を見ない人づくり団体として、まちの発展に寄与してきました。そして、その重要性は、これからも変わりません。
だからこそ、今一度、どのようにリーダーを育てるべきか、どのようなリーダーがこれからの時代に求められているのか確認し、考え直す必要があります。価値観が多様化し、コミュニケーションの取り方が変化する中で、これまでのリーダー像とこれからのリーダー像は変わってきます。しかし、いつの時代もリーダーに必要な普遍的な要素もあります。高めるべき人間力を定めなければ、そこに到達することも、周囲に熱を広げることもできません。
私たちは、会社、家庭、地域においてリーダーとしての責任を負い、次世代を担い、更にその次の世代にバトンを渡す立場です。私たちが中心となって、まちをつくり、人を作り、互いに高め合えることができれば、まち全体に好循環を生み出すことができます。まずは、新しい時代に求められる新しいリーダー像を見定めた上で私たちが行動することで、次世代に繋がる一歩を踏み出すことができます。

【運営をアップデート】

強い組織は、柔軟性があり、個人の繋がりをより強固なものにし、会員の持つ何倍もの力を引き出すことができます。
明るい豊かな社会を継続的に目指していく上で、活動の基盤となる環境を整えることは、大変重要です。
今や情報機器の発達は目覚ましく、ここ数年で新たな技術が生まれています。新しい技術を取り入れることで、新しいコミュニケーションを生み、効率化を図り、生産性を高めることができます。これらを積極的に取り入れることが求められています。
しかし、ただ取り入れるのではなく、活用する目的とその意義を検証し効果的な使い方を学ぶこと、そして取り入れた技術を誰もが同様に使えるように共有することで、より大きな価値を生むことができます。
課題意識を持ち、これまで青年会議所が大切にしてきたものを守りながらも、新しい手法を取り入れることで、今の時代に適し、会員が力を最大限に発揮することができる次世代に引き継ぐべき組織運営の一歩を作り出すことができます。
私は、この足利という歴史と自然と文化が調和するまちに生まれ育って、本当に良かったと思います。そして、多くの素晴らしい仲間と出会うことができた足利青年会議所に入会できたことを誇りに思います。
ただ、この環境というものは、当たり前のものでなく、これまで多くの先輩方の御尽力があったからこそ、今の環境があります。私たちも先輩にしてもらったように、より良い環境を作り、後輩たちに引き継いでいかなければなりません。
その歩みを生み出すのは、足利青年会議所です。
この変化の早い時代の中で足利青年会議所が創立から60年を越えることができたのは、これまで続けてきた活動が足利にとって重要なものであったことを意味しています。60周年の際の中期ビジョンを軸に、これからも明るく豊かな社会を目指し、まちから求められる団体でなくてはなりません。
そのためには、共に歩む同志を増やすという拡大活動は、当然に続けていかなければなりません。出向等を通じた各地会員会議所との交流も必要不可欠です。まちづくり、ひとづくりそして運営だけに留まらず、全てのこれまでの活動をここで見直し、あらゆる可能性を考慮し、何が今の時代に最適なのか、何がこれから来る時代の正解なのかを検討し、実行することで、この歩みを止めることなく進むことができます。
私たちに今求められているのは、変化を恐れることなく青年らしく挑戦していくことだと思います。そして、ただ挑戦するのではなく、先輩方がこれまで築いてきた大切なものを忘れず、原理原則に従い、本質を見失なわないことが必要です。先輩方から受け継いだ「英知」と、変化を恐れない「勇気」と、それを実行する「情熱」を持って、足利青年会議所として仲間とともに2020年を全力で邁進し、未来の足利に向けて明るい豊かな社会を作り上げていきます。

2020年度 基本方針

  1.  これからの時代に求められる新しいまちづくりの手法の研究と実施
  2. これからの時代に求められる新しい人づくりの手法の研究と実施
  3. これからの時代に求められる新しい組織運営の手法の研究と実施