理事長所信(2023年度)

2023年度 一般社団法人 足利青年会議所 理事長 鹿島 朋城

日本中が高度経済成長に沸く1958年、古くから繊維の街、織物の街として文化的経済的に結び付きが強かった隣県の桐生青年会議所様のお力添えのもと、栃木県内最初の青年会議所として私たち一般社団法人足利青年会議所(以下、JCI足利)は設立されました。そして、豊かな自然と数多の歴史や文化を育くんできた渡良瀬川流域の「両毛地域」に位置するこのまちで永きにわたり活動を続けて参りました。栃木県内11の青年会議所で構成される公益社団法人日本青年会議所関東地区栃木ブロック協議会と県境を跨ぎ両毛地域6つの青年会議所で構成される両毛地域青年会議所協議会という二つの協議会に属する、全国的にも非常に稀な存在で、身近な地域での活動の中で数多くの経験を積み、交流を図ることが出来る大変恵まれた青年会議所であります。
そして、今日まで多大なる実績を残されてきた先輩諸兄のお蔭様を持ちまして、2023年度JCI足利は創立65周年の節目を迎えます。また、昨年足利市は市制施行100周年という記念すべき節目を迎えました。JCI足利がこの先もこのまちと共に歩み、このまちの発展に寄与し続けていく為には今後どうすべきか議論を重ね、持続可能な地域、持続可能なJC活動の在り方を熟考し行動に移す必要があります。これまで数々の困難に立ち向かい、英知と勇気と情熱を持って打ち勝ち、JCI足利を創り紡いできた諸先輩方に敬意を表するとともに、まちの為に共に活動している関係諸団体、近隣青年会議所の皆様に感謝の意を申し上げ、私たちはこの新たな時代に新たな一歩を踏み出します。
この数年で、日本中の青年会議所活動を取り巻く環境は劇的に変化しました。距離的な壁は取り除かれ、移動の時間的経済的な負担は減り、PCスマートフォンがあればどこにでも行ける時代になりました。現地に行かずとも現地のメンバーと繋がることが出来る。現地に行かずとも現地の事業に参加出来る。この技術革新はJAYCEEにとって大きな革命的出来事であります。しかしながら、日々活動を続けるメンバーにとって、この状況がネガティブに捉えられているという事実も当然あります。地理的な距離感と心情的な距離感は、個人個人で様々な解釈となり、青年会議所活動に対する携わり方が千差万別の時代が到来しました。青年会議所運動の理念共有とメンバーの多様性の尊重という、相反する課題に直面しており、今後の活動は新たな局面へと進んでおります。

【先意承問】

創立65周年を迎えJCI足利は新たな一歩を踏み出します。今後70周年、100周年と繋いでいく為には、青年会議所運動のビジョンを一人ひとりが持ち、目指すべき「明るい豊かな社会」へ進んでいくことが必要です。まずはこのまちにとって「明るい豊かな社会」とは何か、何を求められているのかを探求し、このまちの為にJCI足利はどうあるべきなのか、どう運動を展開していくのかしっかりと議論を重ね、中期ビジョンの策定を行い、理念の浸透を図ってまいります。2023年度が理念共有の元年として、このまちの未来への道標となるような記念事業を実施するとともに、顧問、関係諸団体、近隣青年会議所の皆様、そして何よりこのまちへの「感謝」をお伝えする周年記念式典を執り行います。

【慈眼慈愛】

「JAYCEE」と聞いた時、どのような人物像をイメージするでしょうか。一昔前ですと若手経営者、次世代のリーダーというような限られた人種のみに与えられる呼称だったのではないかと思います。しかし、今や多様性の時代が到来し、青年会議所においても様々なメンバーが在籍しております。そしてすべてのメンバーがその力を存分に発揮する為には、価値観の多様性、仕事やJC活動、ワークライフバランスの最適解が人によって異なることを理解し尊重し合うことが必要不可欠です。デジタルツールの革新により、青年会議所活動に対する携わり方も個性が出せる時代と捉え、それぞれが得意な形でこの舞台の上で、このまちの為に貢献できることは必ずやあるはずです。メンバーそれぞれが自身の個性とJC活動に自信と誇りを持ち活躍できる組織を目指し、そして多様な個性が支え合えるような強さと優しさに満ちた青年会議所を築きます。

【馬上行動】

「会員数減少」全国的にもJCI足利にとっても近年の恒常的な課題であります。「一生涯の仲間」との出会いは、メンバーの人生を豊かにし、JCI足利の成長発展に繋がることは揺るぎのない事実ですが、急激な会員数の変化は円滑な組織運営を難しくしてしまうという側面もあると思います。考えすぎるあまり身動きが取れなくなってしまうことがないよう、拡大活動において重要なことは、思考と行動を同時に続けていくことだと考えます。今後のJCI足利が継続・発展的な活動を行うためには何が必要なのか熟考し続け、想いを未来の仲間へと届け続けることが、このまちの未来へと繋がるものと信じて活動してまいります。

【凡事徹底】

会の運営をしていく上で最も重要なこと、それはメンバーが安心して活動を続けることが出来る揺るぎ無い土台を築くことです。事務局は裏方のイメージを持たれがちですが青年会議所活動の根底であり、普段目に見えない根も適正な連絡、情報発信をすることで具現化しその存在を知らしめることが出来ます。そして、根が十分に私たちの周りに張り巡らされていると感じることが出来た時、メンバーは足元を見ることなく安心して前へと歩みを進めることが出来ます。

【禅即行動】

JCI足利は栃木ブロック協議会や両毛地域青年会議所協議会など様々な関係諸団体と協力関係を築いております。「出向」という言葉を聞くと、未だ見ぬ得体の知れないものへ挑戦しなければならないと感じ、二の足を踏んでしまうメンバーも少なくないのではないでしょうか。しかし、迷いを捨てて動いた者にしか得られない経験、進んだ先でしか出会えない新たな仲間との友情は、何にも代え難いものであります。出向先での人間的な成長は必ずやJCI足利の発展にも還元され、更には他LOMとの共存共栄にも繋がるものと信じております。
2023年度、JCI足利より両毛地域青年会議所協議会第53代会長を輩出致します。メンバーが積極的に出向する絶好の機会と捉え、多くのメンバーで支援をしてまいります。

【結びに】

私は本気で動く者だけが、人の心を打ち、人を動かすことが出来ると青年会議所に入会して教えられました。言葉を頂いた訳ではなく、実際に本気が本気を触発し、本気の連鎖を生み出す様を目の当たりにしました。青年会議所は単年度制ですが、本気の連鎖は次代へと届けることが出来ます。そしてそのエネルギーはまちの未来をも変える力があると信じております。本気で活動をしていても他の誰かには遠く及ばない、そんな経験も数多くあると思いますが、まちづくりは他者との比較ではありません。このまちにはこのまちの「明るい豊かな社会」の姿があるはずです。
そして本気で挑戦するだけではなく、65年の永きにわたり先輩方が築いてきた不変不朽のものを見失わず、本質を追求し続けることがいつの時代も必要です。先輩方から受け継いだ「英知」、変化を受け止める「勇気」、留まることなく実行する「情熱」をもって、素晴らしき仲間たちとともに「明るい豊かな社会」を築いて参ります。

 

2023年度 基本方針

  1. このまちの未来へ向けての中期ビジョンの策定
  2. このまちの未来への道標となる記念事業を実施
  3. このまちへ「感謝」を伝える周年記念式典を実施
  4. メンバーが自信と誇りを持って活動出来る組織作り
  5. ストラテジー、アクション、スピードを重視した会員拡大
  6. メンバーが安心して活動出来る組織運営
  7. 出向への積極的なサポートと支援の実施